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2019/07/25

はたらくおとなたち -第十回 株式会社EC-GAIN 代表取締役 村田薫さん-

みなさん、こんにちは!『はたらくおとなたち』では、社会人としてはたらくみなさんに伺った、ご自身の仕事やそのやりがい、将来どんな人になりたいかといったお話を、読者のみなさんにお伝えしていきます。

インタビュー後、お相手の方に社会人としてはたらくご友人の方を紹介していただきながら、わたしたちは多様なはたらき方を知る旅をしていきます。第十回目は、株式会社EC-GAIN代表取締役の村田薫さんです。

 

プロフィール:


村田薫
株式会社EC-GAIN 代表取締役 

奄美大島出身の父親と、山口出身の母親のもと生まれる。埼玉で育ち、高校から始めたラグビーでは県ベスト8という成績を収める。ラグビー推薦で入学した山梨学院大学を卒業後、楽天に新卒入社。入社から4年目に独立し、ECコンサルタントとして仕事を広げる。2012年に、沖縄へ移住。2016年に株式会社EC-GAINを立ち上げ、ECコンサルティングの他、コミュニティECプラットフォーム「temite(テミテ)」のサービス開発事業などを行なっている。

  

はじめに、どんな学生生活を過ごされていたか教えてください。

中学ではハンドボール部だったのですが、高校生になったら学生らしく遊ぼうと思っていて、入学当初は部活にも入らずにいたんです。ですが、当時の体育の先生がラグビー部の顧問で、授業のたびにラグビー部に入らないかと勧誘されていて。それで、渋々ラグビー部に入りました。痛いし、汚いし、先輩たちはイケてないし、はじめはラグビーの何が楽しいんだろうと思っていましたね。

そんな時、他校の1年生同士で試合をするということがあって、ラグビーのおもしろさに目覚めたというか。自分の中にある、男の本能みたいなものに火がついたんですよね。その日の夜は興奮のあまりうまく眠れず、布団の中で身震いしたことを今でも覚えています。その出来事をきっかけに、ラグビー中心の学生生活になっていきました。部活内ではキャプテンという立場ではないけれど、その場を仕切るし、発言力もある。プレイヤーとしては一番点を取っていたんですけど、気が向かなければ試合をすっぽかすこともあって、不真面目な部分もありましたね。矢面には立たずに自分の好きな意見を好きなように通すという、いわゆる面倒臭い奴でした。

 

部活一筋の学生時代から、就職活動はどのようなことをされていたのですか?

僕は大学もラグビー推薦で。過去の先輩たちの時は就職活動をする暇もないくらい練習続きの状態なんですけど、たまたま僕が大学3年の冬に指導していたコーチが倒れるという出来事が起きて、学生だけで練習をする期間があったんです。僕は社会人でもラグビーをやるという気持ちはなかったので、就職をしないといけないなと思い始めていました。なので、その時期に練習の時間を調整しながら、就職活動の時間を作っていましたね。

まずは大学のPC教室に行き、そこで初めてパソコンを触って、リクナビっていうのがあるらしいぞとか、業界を絞るんだなということを知り始めたんです。で、最初に考えたことは、お金持ちになるにはどうしたらいいのかということでした。目の前にあったパソコンでお金持ちを調べたら、「ビル・ゲイツ」という検索結果が出たんです。マイクロソフトの創業者で、当時の世界長者番付では文句なしの一位。どうやら、IT系の仕事らしい。ビル・ゲイツをきっかけに、僕はIT系の企業を受け始めたんです(笑)。

 

とは言っても、分からないことだらけなので様々な企業を受けました。すると、企業によって持っているらしさやカラーが違うということが分かった。内定もいくつかいただいた中から、最終的に楽天に決めるんですけど、その理由も雰囲気によるところが大きかったですね。集団面接の際、「他の学生と比べて勝てるポイントはありますか?」という質問があったので、「ベンチプレスです!」って答えると、そのやりとりで役員の方が笑ってくれて。こういう人たちがいる会社ならなんとなくいいなと思ったんです。

また、部活との時間の兼ね合いもある中で就職活動を頑張ることができた要因の一つには、学生寮で同じ部屋だったチームメイトの存在が大きいとも思います。彼はファッションに関心が高くアパレル志望だったのですが、「入りたい企業に絶対入ろうぜ」と言い合い、情報共有をしながら目線を高く維持して就活を続けることができましたね。

 

楽天では、どのような仕事をされていたのですか?

楽天では営業開発担当として、新規で楽天に出店するお客様を獲得するという事を経験した後に、すでに楽天に出店しているお客様を対象に、ECのコンサルティングをしていました。どのタイミングで、こういうアクションをした方がいいですよといったアドバイスをするんです。やればやるほど成果も出て、仕事は楽しく、当時楽天が掲げていた「日本の中小企業をエンパワーメントする」というミッションに貢献することができているというやりがいも感じていました。

しかし、成果を出すほど会社からのオーダーも高くなり、自分のやりたいコンサルティングと会社から求められる成果にズレが生じてきていた現状も同時に感じていたんです。出店してくれる企業からお金をいただくということも、それ自体が目的のように思えてしまい、顧客視点に立っていない同僚の発言にも、辟易していました。そんな会社の姿に、不満をぶつけることしかできなかった。今振り返ると、ダサいというか‥‥。会社の視座に立てていないし、過去の自分に対して最大限努力していたかといえば、そうではなかったとも思います。4年目になって、転職活動もしたのですが、自分自身の力でやろうと独立することを決意したんです。

 

独立後は、どのようなことを始めたのですか?

個人事業主として、東京でECコンサルタントを始めたものの、コネクションもなく、最初の半年間はまったく物になりませんでした(笑)。このままいくとヤバいなと思い、戦略を描きなおし、楽天でWEB広告を出している企業を見つけては、改善案を考えて提案営業をかけていきました。楽天のWEB広告についてはノウハウがあったので、そこから徐々に仕事が広がっていったんです。

そんなある日、お付き合いのあったところから、沖縄のクライアントを紹介された関係で沖縄に訪れるということがありました。そこで、冗談半分だったと思うんですけど、沖縄に来ちゃえばいいのにという話をされたんです。ECコンサルなら遠隔でも仕事ができるし、よくよく考えたら無理な話でもない。僕も沖縄に来て、いいところだなと感じていたので妻に相談したら、私も行きたいと(笑)。それからは早かったですね、話が持ち上がって5ヶ月後には沖縄に引っ越していました。

 

 

沖縄に来たら、会社を立ち上げようと思っていたのですか?

そういうわけではありませんでした。けれど、 沖縄で仕事をし始めて、地方のECの状況というものが分かってきて。地方や中小企業だからこそ、そこにECの力が与える可能性って大きいと思うんです。けれど、その頃の沖縄は、ECWEBマーケティングに携わったことのある人が少ない状況。ECの力があれば、沖縄をもっと勝たせることができるかもしれないと思ったんです。それと子どもが生まれて、将来のことを真剣に考えるようになった影響もあると思います。いつかこの子が大きくなって、親父すげえ!って尊敬されるには、沖縄の経済の発展に携わることができれば、それも実現できるんじゃないかなって。

ECの力で、沖縄の経済の発展に貢献する。そういったインパクトを世の中に与えるのであれば、自分一人だけの力ではできないので、会社を作ろうと決心したんです。ラグビー用語で、ゲインという言葉があって、簡単にいうと、前に進めるという意味なんです。それに、ビジネス的なgain=稼ぐという意味も込めて、「EC-GAIN(イーシーゲイン)」。ECの領域で、GAINしていく。まずは、沖縄のEC産業を1000億円規模にしようという目標に向かって、前進しています。

 

フリーから起業を経て、どのような変化がありましたか?

会社を作ったら、仲間を入れる必要がありますよね。そうなると、中途半端な会社にはできないんですよ。自分だったら、そんな会社に入りたいと思わないでしょうし。その点では、覚悟というか、心構えが変わったと思います。そして、仲間が入ってくると次に考えなければならないのが、そのメンバーを幸せにするために会社はどうあるべきなのかということ。メンバーも幸せにしながら、地域も幸せにしていきたい。そうなると、県内の受託だけではなく、県外・国外からも資本や仲間を集められるようにしていきたい。そんな想いもあり、「temite(テミテ)」というECプラットフォームも誕生しました。temiteによって、日本の中小企業がグローバルに販路を拡げることができれば、沖縄のエコシステムの一つとして、経済に貢献できると思うんです。

 

最後に、学生の皆さんにメッセージをお願いします。

大学生にしかできないことって、実はあまりないと思っていて。学生だから遊んでおこうというのは、その人にとって価値にはならないと思うんです。学生だからという制約は外して、その上で夢中になれることに打ち込むことができたら、それはものすごい価値になると思います。それが人からどう見られるかとか気にせず、良い意味で視野を狭く持ってやりきってほしいです。あとは、自分で考えて、自分で行動を変えること。

楽天で会社への文句ばかり言っていた頃の自分を、イケてなかったなと気づいたのは、会社を辞めてからです。会社を辞めてフリーになって、「自分はこれでいいのか?」「お客さんのために全力を出せているか?」と自問自答する時間が増えました。過去のことを思い出していく中で、もっと一生懸命やっていれば違う結果もあったかもしれないなと。そうやって、自責になって考え、自分自身が変わることでしか、後悔のない道を歩んでいくことはできないと思うんです。

 

不平不満を言うのではなく、自分を省みて、自分自身を変えることによって状況を変えていく。まさに、前に進むということの本質を学ばせていただけるお話、ありがとうございました!

さて、次回はどんな方にお話をお聞きできるのでしょうか。今から楽しみです!みなさん、次回の記事も是非読んでくださいね!最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

記事を書いたメンバー

記事を書いたメンバー

松田 和幸

琉球大学生。トポセシアの広報担当。SNS運用や広告物の制作、取材・執筆を行いながら、沖縄県内のwebメディアでもライターとして活動する大学生。おもに就活生に向けた企業紹介記事を書き、他のwebメディアでは企画記事なども書いている。オモコロとデイリーポータルZが開催した『日本おもしろ記事大賞』という記事のコンテストで、審査員賞を受賞したことがある。