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2019/06/01

はたらくおとなたち -第六回 株式会社ギフト 三浦正樹さん-

みなさん、こんにちは!『はたらくおとなたち』では、社会人として働くみなさんに伺った、ご自身の仕事やそのやりがい、将来どんな人になりたいかといったお話を、読者のみなさんにお伝えしていきます。

インタビュー後、お相手の方に社会人として働くご友人の方を紹介していただきながら、わたしたちは多様な働き方を知る旅をしていきます。第六回目は、株式会社ギフトで人事をされている三浦正樹さんです。

プロフィール:

三浦正樹
株式会社ギフト

高校を卒業後、料理人を志す。中華料理屋でキッチンのアルバイトを始め、先輩料理人の独立の手伝いなどを経て、ビジネスとしてラーメンを扱っていくことを決意。株式会社ギフトに入社し、ギフトの理念、バリューのひとつ「超絶空間」を体現できていると社員から認められた「神セブン」としてのラーメン作りを経て、現在はブロック長として店舗や店長のマネジメントを担当している。

 

トポセシアでの説明会ではいつもおいしいラーメンを食べさせてくださりありがとうございます!

まず、料理人としての生き方を始められた経緯を教えてください!

僕は高校を卒業してフリーターをしていたんですけど、周りの人たちが大学に行ったり就職したりとちゃんとしてるのを見て、このままじゃダメ人間じゃん!やばい!という危機感をもったんです。どこかに就職しよう。だけど、自分は何がしたいんだっけ?何をしているときが一番幸せだっけ?と考えたときに、食べることが好きだなと思って、飲食を仕事にしようと決めました。僕は特に白米が大好きだったので(笑)、中華料理屋で働こうと。 当時、白米を一番おいしく食べられるおかずは中華料理だと思ってたんですよね。

でも実際に働き始めると、やっぱり仕事で料理を作ることと好きなものを食べることは全く別物で。すごいつらいなと思いながらも、努力していくと人は成長するんですね。しばらくすると就職先で料理長を任されるようになりました。それからオープンキッチンのカウンターに立って料理をするようになって、お客さんに「料理長、これうまいよ」と言われたときに、自分のなかに初めて嬉しい!という感情が芽生えたんです。「これだな」と思いました。

自分の原点に立ち戻ったときに、自分が料理を食べるのは幸せな気持ちになりたいからだというのを思い出しまして。だから自分もおいしい料理を作って、人を幸せにしたい。それが自分のやりたいことだと気づいたときに、よし!もっとおいしいものを作れるようになろうと決めたんです。そこで料理人として生きていく覚悟ができました。

 

おいしいものを食べたときにどれだけ幸せな気持ちになるかを知っているからこそ、人にもそんな気持ちになれる料理を振る舞いたいと思うようになったんですね。

その後マネジメントを学ばれていますが、それにはどんな経緯があったんでしょうか?

当時同じ会社で働いていた社員の一人が独立するとのことで、そのお手伝いを始めまして。でも個人店の料理屋ってなかなかうまく行かず、料理のおいしいお店だったんですけど4年くらいで潰れてしまったんです。それを目の当たりにして「”おいしいだけ”じゃダメなんだ。店を経営していく術をちゃんと知る必要があるんだな」と学んだのがきっかけではあります。

しかし、そこで迷いました。自分にはこれから二つの道があると。一つは『うまい』を追求して料理の職人として生きていく道。もう一つは経営やマネジメントをしっかりと学びながら料理を続ける道。どっちもアリだなと思ったんですが、自分は職人としてもっともっとおいしいものを作っていこうと考えまして。作れる料理の幅を広げるために、和食のお店に転職をしました。

転職したお店は居酒屋だったんですが、めちゃくちゃ料理がおいしくて店舗の展開的にも勢いのあるお店でした。非常にこだわった食品で料理を提供していて、しかも内部ではマネジメントにとても力を入れていたんです。社員に研修を受けさせていたり、経営陣が他社の勉強会に積極的に参加していたりという環境で働いていて、影響を受けまして。そこで経営とかマネジメントっておもしろいなと感じて、結果的に自分でも学び始めたわけです。

 

なるほど。飛び込んだ先で難があっても、それを糧にして新しいことを吸収していく姿勢が三浦さんらしいですね。

その後ラーメン業界に方向転換されたのはなぜですか?

マネジメントや経営を学び始めてしばらくすると、自信がついてきたんです。そろそろやれるかもと。そんなときに知り合いの方から、ラーメン屋をやるから手伝って欲しいというお話をいただきまして。とはいえ個人店に誘われるのは2回目で、1回目は失敗してるのでさすがに即答はできず返事を保留してました。でも経営状況を見るとしっかり利益が出てるし、テレビにも取材されて、店舗数もあっという間に増えて、という成長に可能性を感じてお誘いに乗ったんですね。

ただ、自分が入ってしばらくするとオーナーさんが遊び始めてしまって。働いたお金はキャバクラや新車に消えていくし、給料は未払いだしという状況が続きました。当時すでに奥さんと子どもがいて、さすがにやっていけないのでオーナーと話をしてやめさせてもらったんですが、そのときラーメンをビジネスとして扱っていくことに強い魅力を感じていたんですね。

ラーメン業界には19歳のときにアルバイトで関わってたくらいで、実はそれまであまり魅力を感じてませんでした。しかしラーメンは人を幸せにできるし、利益率もいいし、とことんうまさを追求できる商品だし。原価計算などせずに経営しているところが多いので、努力すれば確実に勝っていけそうだという点で、ビジネスとしてとても良いなと。しかもラーメンって個人の色が出せるんですよね。しかもその色は何でも良くて、追求しがいもある。だからこそやりがいも感じていました。そしてラーメンをビジネスとしてやっている会社に入ろうと決めて、ラーメンの道に進みました。

 

それで今は株式会社ギフトで店長たちのマネジメントなどをされながら、人事やラーメンの品質チェックまであらゆることを任されているんですね。

当初は人がおいしいと感じる料理を作っていきたいというのが料理へのモチベーションだったと思いますが、今も料理に対しては同じ気持ちですか?

そういう意味では変わらないですが、今は同じ価値観をもつ仲間を増やしていきたいという気持ちです。料理人として料理の道を極めようと決意したけど、今は人とやっていく方が多くの幸せを作っていけることを知ったし、その方が面白いと感じているんですよね。だからギフトの社員には、自分が努力して作った料理で人に喜んでもらえることは何より嬉しいことなんだと実感してもらえるような教育をしています。おいしいものを食べて「おいしい」って言ってる人の心の中には、実はけっこうな幸福感があるので、そこを理解してほしい。幸せな気持ちで「ごちそうさま」って言ってるんだよ、というような話をよくします。

ギフトはチェーン店として店舗を展開していて、ラーメンの作り方ももちろんマニュアル化されています。だから誰が作ってもある程度おいしいものができるんじゃないか、そこに努力は必要ないのかなと思われるかもしれないですが、違うんです。マズく作ろうと思えばマズくなるし、おいしく作ろうと思えばどこまでもおいしくできるんですよ。スープの配分だったり、火入れの仕方だったり、ラーメンをおいしくするための工程はいくつもある。自分で考え情熱をもってつくる。情熱をもって作り上げた一杯はやっぱりうまい!そのラーメンでお客さんに「おいしい」という言葉をもらえるのは、これ以上ないほど嬉しいんですよね。その過程をより多くの仲間と共有して、もっと多くの人に幸せを感じてもらえる店作りをしていきたいと思っています。

中華屋で働いてたときは半年休みがないなんていうのが普通の時代で、飲食業がブラックと言われるのは当たり前だよなと思ってました。そんな中でもおいしいものを作って目の前でお客様が幸せそうにされている姿を見るのはとても嬉しいことでしたし、やりがいを感じるものでした。だからギフトで、そんな面白さを感じてもらえるような環境作りをしながら、休みや給料などを整えて働きやすくして、飲食業を人気職にしたいという展望があります。

そのために例えば休みという部分に関しては、休むことに後ろ向きな昔かたぎの人たちに『休みを取ることは正しくてその上でしっかり働こう』という気持ち作りをしたり。また、ある店舗だけ忙しくて、そこの従業員だけ休めない状況がないようエリアでヘルプを送り合う体制を整えたりしています。その結果、従業員がなるべく希望に沿って休みが取れる組織にはなってきました。また、飲食業は長く続けても給料が変わらないというイメージもあるかもしれないですが、ギフトではスキルが向上したら正当な評価をして、時給が上がっていく仕組みを導入しています。従業員が比較的自由に店舗を行き来しながら学び合い、積極的にスキルアップを目指せるような環境を用意していて、働きやすさは確実に増してますよ。

 

三浦さんご自身は、今後どうなっていきたいですか?

僕はずっと、自分が成長するために、自分がよりおいしい料理を作るために、という方向で努力をしてきました。飲食業界はけっこう弱肉強食の風土が強くて、できるやつは残るしできないやつは淘汰されていく。そんな環境で働いてきたので自分のために頑張るのが当然だと思ってきたし、それはそれで仕事に没頭できて楽しかったです。でも、中華料理屋の次に働いた居酒屋で人のために働く面白さを教えてもらいまして。そこでもらった『多喜力』という考え方で働いてきて、今は他の人が輝ける環境を作るほうが楽しくなっちゃったんですよね。例えば部下に「あいつもっとこうなったら輝くんじゃないかな」って思ってアプローチした結果、部下がより成長した姿を見れたら気持ちいいし、達成感があるんです。だからもっと部下や仲間が輝ける舞台を用意できる人になりたいですね。

 

三浦さんが思う、飲食業の面白さとは何でしょうか?

飲食の面白さは、目の前で、ライブでお客様が喜んでいる姿を見れるところにあると思うんです。もちろん他の仕事でも、お客様が喜んでいる姿は見れるかもしれないですが、例えば物を買ったお客様が本当に喜んでいる姿って、日常の中で買ったものを使ったり身につけているときにこそ見れるものじゃないですか。一方、飲食業はお客様が本当に喜んでいる姿をその場で見れる。これは飲食業にしかないものですし、ここでしか感じられない喜びがあると思っています。

 

最後に、これから社会に出ていく学生に向けて一言お願いします。

自分が何になりたいか、何をしたいかの動機は単純だと思うんですよ。僕自信、料理を始めたのはおいしいものを食べるのが好きだったからですし、自分に向いてるなと思ったのは初めて麻婆豆腐を作ったとき料理長に「味付けのセンスがいい」って言われたからなんですよね(笑)。だから前向きって大事で、周りがどれだけ「お前はダメだよ」って言ったとしても「いや俺は大丈夫」って言えること。そう思い込めるからこそ自分が将来どうなりたいかが明確に見えてくると思うんです。

そして、本当になりたいものがあるなら何でもいいからやりきれ、とも伝えたいです。わかりやすい例で言うと、美容師は1年2年で髪を切れるかって言ったら切れないじゃないですか。じゃあその期間に何をするかというと、床に落ちてる髪を掃いたり、パーマ液を混ぜたり、頭を洗ったりとか、はたから見たら些細なことです。しかし、それをも全力でやれるかが大事で、一見些細なことを全力でやったヤツにだけその先があるんですよ。つまり美容師になれるかどうかはそこの差なんです。でも、みんな途中で「これは俺に向いてないんじゃないか。」と思いますよね。それで悩むと遠回りです。本当にそれがやりたいと思うなら、腹を決めてやり切った方がいい。それが自分の理想への一番の近道です。

三浦さん、ありがとうございました!なると決めたらなる。どんなこともポジティブに捉えて、自分の糧にする。その結果より楽しい未来があるという姿勢を学んだ取材でした。「自分には向いてないんじゃないか」と悩むと遠回り、というお話はとくに印象に残っています。

さて、次回はどんな方にお話をお聞きできるのでしょうか。今から楽しみです!みなさん、次回の記事も是非読んでくださいね!最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

 

記事を書いたメンバー

記事を書いたメンバー

松田 和幸

琉球大学生。トポセシアの広報担当。SNS運用や広告物の制作、取材・執筆を行いながら、沖縄県内のwebメディアでもライターとして活動する大学生。おもに就活生に向けた企業紹介記事を書き、他のwebメディアでは企画記事なども書いている。オモコロとデイリーポータルZが開催した『日本おもしろ記事大賞』という記事のコンテストで、審査員賞を受賞したことがある。